俺 Pedia

窓際エンジニア(仮)の日常

レベニューシェア型サービスの可能性

先日任天堂がYouTube上での自社コンテンツの動画に表示された広告の収益を投稿者と分配するサービスの開始を発表しました。

ここ数年CGM界隈でこのような動きがちらほらあるのですが、海外での動きに比べると日本の動きは緩慢です。

そもそもCGM系のメディアにおいて、その利益は誰に帰属すべきか?という問題は実は(私の)永遠のテーマであるわけですが、少なくとも海外の動きに対して日本ではサービス提供元に帰属するという考えが強いようです。

私個人はこの手の話を行う場合、基本的にCGM系のメディアであれば少なくとも『サービスを維持に必要となるコスト+(過剰とならない程度の)利益』を除いたものはコンテンツ制作者に帰属すべきと考えています。

もっとも、サービスの維持にかかるコストを広告売上げから差し引きどの程度の利益が残るかという点については微妙ですが…

ニコニコ動画であったり、LINEのクリエイターズスタンプであったりと少しずつ個人の生み出す価値に対して正当な利益を分配する動きは見えてきてはいますが、やはり対応しているサービスは限定的で、制作物としても比較的スキルを要する物の方がそういった対象になりやすいという事もあり、だれでも気軽に参加できるというものではないと感じています。

この辺りの温度感の最大の原因はインターネットメディアが海外と違い(事実上)寡占されている状況も影響しているのだと思いますが、このような動きは世界のそれと逆行するものがあるのでインターネットの健全な発展を継続的に望むのであれば、やはり適度な利益の分配が行われる制度は業界が率先して整備すべきじゃなかなと感じます。

海外も力のあるプレイヤーが市場に大きな影響力をもっているのは変わり有りませんが、その一方で、新しいサービスやメディアの立ち上げに対して比較的理解が有りスポンサーも見つかりやすいと私は感じています。そういった意味で彼らはWin-Winな関係を築いていると思います。

 
ただ、現状の多くのインターネットベンチャの利益はメディア事業の広告利益よりもスマホゲームからの利益の方が比重が高まっている事も有り、あえて既存メディアでそういった制度を整備し自社の利益を圧迫するような動きをするとは思えません。

売上げで言えばメディア上の広告掲載はまだまだ大きいですが、やはり利益率という点においてはスマホゲームを当てる方が圧倒的に高くなるのは否めません

結局、新規参入時業者がこの辺りを打破してかないといけないのですが、3年程の計画で一定の出資を募るとやはり既存プレイヤーの規模の大きさと市場の成長性の影響もあり、なかなか色よい返事が頂けないのが実情です。

海外と比べると日本のブログやまとめサイトの需要は非常に高くポテンシャルはあると感じているので、新しい仕組みの導入はパワーバランスの変動をもたらすだけでなく市場そのものの成長性も押し上げると私は考えているので、本来は採算性さえあればそれほどネガティブな話ではないのですが。

昨年からこの辺りのアイデアを提案しているので、今年は具体的な動きになればと考えています。